オススメ本・雑誌 看護 看護知識

『膵炎』(すいえん)を復習しておこう

『膵炎』をおさえておこう

最近よく「膵炎」の患者さんに出くわします。

 

新型コロナウイルス感染症の影響で「家飲み」が増えた影響でしょうか?
(関係ないですか?)

 

周囲のスタッフと話している時に、みんなが膵炎について意外と知らなかったので驚きました。

看護学校で習っているハズなのですが、勉強していないと忘れてしまいます。

 

今日は膵炎について復習の意味も込めて書いてみます。

 

膵臓という臓器が出すもの

膵臓(すいぞう)という臓器・・・

君の膵臓をたべたい』という物語が一時話題になりましたが、あの膵臓です。

膵臓の主な機能は「酵素」を出します。(膵酵素と呼ばれます)

  • タンパク質を分解する『タンパク質分解酵素』(トリプシン)
  • 炭水化物(糖質)を分解する『糖質分解酵素』(アミラーゼ)
  • 脂肪を分解する『脂肪分解酵素』(リパーゼ)
  • インスリンの分泌(血中)
  • グルカゴンの分泌(血中)

看護学校を出ている人は、「聞いたことある」と思われるかもしれませんね。

 

膵液や胆汁は消化液です。

胆汁は脂肪を吸収しやすい形にします(ミセル化と言われます)

膵液はタンパク質や糖質や脂肪を分解する酵素を含む液を出します。

ちなみに、膵液はアルカリ性なので、胃酸で酸性になった消化物を中和させる役割もあります。

 

血液にもホルモンを出しますので、内分泌機能も備えています。

膵臓はすごく大事な臓器なのです。

 

膵臓の解剖生理についてはインターネットなどで画像を確認して頂きたいのですが、
膵臓の中の「主膵管」が十二指腸へ出ており、ファーター乳頭という穴から流れ出てきています。
この入口にオッディ括約筋という排泄をコントロールする筋肉があります。

 

膵炎の病態

膵炎の原因は様々あります。

  • 胆石が胆管を詰まらせ、胆汁が逆流して起こる
  • アルコール(膵臓の組織に負担をかける)

が多いのですが、十二指腸の狭窄やERCP後も起こることがあります。

※ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査)

 

これらが原因となり、膵臓の酵素(トリプシノーゲン)がトリプシンに活性化され、タンパク質を溶かします。
(トリプシノーゲンは十二指腸でエンテロキナーゼにより活性化され、トリプシンになる)

人間の身体はタンパク質でできています。

要するに、トリプシンによる「自己融解」が起こるのです。

自分で自分の臓器を溶かすなんて・・・怖いですよね。

 

この炎症により、体中で「サイトカイン」が放出されます。

この影響で肺毛細血管の障害(ARDSなど)や麻痺性イレウスなどを起こすこともあります。
イレウスはBT(バクテリアルトランスロケーション)の原因にもなりますので、恐ろしいものです。

 

膵炎は恐ろしい病気です。

炎症が全身に波及する可能性がありますので、しっかりとした輸液管理と疼痛管理が必要です。
さらに最近は早期栄養管理も大事であると言われています。

膵炎の患者さんが経管栄養チューブを深く挿入するのを見たことがありませんか?

先端をトライツ靭帯あたり(空腸)まで挿入します。
ファーター乳頭を超えて配置することで、膵臓に負担なく栄養を投与することができます。

 

最近ではエキスパートナース12月号(2020年12月)に詳しく書かれていました。
大変わかりやすい記事でしたので、自信の無い人にオススメです。

 

エキスパートナース 2020年 12月号

 

-オススメ本・雑誌, 看護, 看護知識

Copyright© 看護師ブログ カンゴノオト , 2021 All Rights Reserved.