診療報酬改定2020
2020年4月1日から診療報酬が改定されます。
厚生労働省からも「令和2年診療報酬改定の概要」が発表されています。
診療報酬改定に当たっての基本認識
▶ 健康寿命の延伸、人生100年時代に向けた「全世代型社会保障」の実現
▶ 患者・国民に身近な医療の実現
▶ どこに住んでいても適切な医療を安心して受けられる社会の実現、医師等の働き方改革の推進
▶ 社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和
と記載されています。
要するに、
- 超高齢化社会において、健康寿命を伸ばし、すべての世代の社会保障を実現しよう!
- 大病院ではなく、かかりつけ医を利用し、身近な医療(お金のかからない医療)を使ってね☆
- 医療を行う人(医師など)の働き方改革を行い、人員を確保する
- お金が足りなくならないよう、調整しましょう
という事でしょうね。
働けない高齢者が増え、働く人口が減り、「入るお金」より「出ていくお金」の方が多くなってしまっています。
お金のかかる大病院での医療を削減したいという国の意向を感じます。
診療報酬改定の基本的視点と具体的方向性
2年前の診療報酬改定では
「医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進」
が第一に上がっていました。
診療報酬改定2020では
「医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進」
が一番に上がっています。
常勤配置による緩和も行われるようになりました。
診療報酬改訂2020で看護は何が変わる?
看護師の内容は「夜間看護体制の加算」が上がりました。
評価が認められたと感じています。
また、重症度、医療・看護必要度の測定に係る負担が軽減されました。
重症度、医療・看護必要度については、「必要度Ⅰ」と「必要度Ⅱ」があります。
「必要度Ⅰ」は現場の看護師による評価
「必要度Ⅱ」はEFファイルなどを用い、A項目を報告する方法になります。
必要度ⅠとⅡで重症度を満たすパーセンテージが変わります。
例えば、「急性期一般入院料1」を算定する病院は
「必要度Ⅰ」なら31%を満たす必要があり、
「必要度Ⅱ」なら29%を満たす必要があります。
また、B項目に関しては、記録が不要になりました。
参議院議員の石田まさひろ先生が働きかけ、ADLに関するカルテ記載を不要となったようです。
まとめ
今回の診療報酬改定2020は新しい入院料を創設しておらず、マイナーチェンジとも言われています。
しかし、7:1を算定してる大病院にとっては大きな痛手となる可能性があり、全体的に入院基本料を下げる病院も多く出てくると思います。
2025年に向け、「病棟機能分化」が避けられなくなってきている印象を受けます。