エキスパートナース2017年8月号を読みました



エキスパートナース2017年8月号の感想

何だかんだ言って、今年も半年が過ぎました。
もう8月号か・・・という想いで今月のエキスパートナースを読みました。

特集は
●感染対策 今のジョーシキ

●そこが知りたい!認知症ケア加算Q&A

●特別記事に2017年ICN大会inバルセロナ

でした。

個人的な感想として・・・書いてみようと思います。

 

感染対策 今のジョーシキ

正直申しまして、こちらに関しては目新しいものはありませんでした。

吸引、口腔ケア、輸液ライン接続、末梢・中心静脈ルートの管理、採血、周術期の管理・・・など

数年前から言われている事を改めてまとめて書かれている感じです。
なので逆に言えば、「知らないほうがおかしい」・・・という目線で読んだほうが良いかもしれません。

ただ、臨床の中で、この感染対策がすべて実施できているかというと、できていないと思います。

輸液ラインの接続にアルコール綿で15秒も擦っている看護師を見たことがありません。
3回ほどキュキュッと拭いて繋ぐのが現状ではないでしょうか?

15秒って長いですよね・・・

この消毒方法がCRBSIを減らしているというアウトカムがあるわけではないので、あくまで発生を防ぐことができる可能性がある・・・という事です。

と考えると、もう少し現場で使えるような対策方法を提示していただけると助かるな・・・と思います。

 

そこが知りたい!認知症ケア加算Q&A

こちらは認知症ケア加算に関しての記事というよりは、認知症ケア加算を算定するための運営のQ&Aに関してでした。

認知症ケア加算を算定する事は、お金の面ではあまり大きなメリットは無いような気がしています。

特に、認知症ケア加算2については、点数は少ないですし、これなら他の算定に力を入れたほうがよい気がしてきます。

 

ただ、考え方として、「認知症に関する理解が進む」「行動制限に関する理解が進む」という面では大きなメリットがあります。

なので、病院側のスタンスとしては「認知症ケア加算を取りに行くぞ~!」という運動部系のスタンスではなく、「取れる所だけ、無理せず取っていこうか」という、細く長く続けるという姿勢が必要なのだと感じています。

当院でも「研修に参加している人数が足りない」などの不具合で加算を取らない月も出ています。組織全体を動かすことはそれだけ難しいという事ですね。

 

2017年ICN大会inバルセロナ

こちらは2017年5月に行われましたICN(The International Council of Nurses:国際看護師協会)大会4年毎大会の特別レポートでした。

個人的にはこの記事が今月号で一番面白かったです。

ICNでは「ICN4年毎大会」と「ICN学術大会」が2年毎に交互に行われています。

WHOより新たな目標として「持続可能な開発目標(SDGs)」が発効されました。その中で、健康にまつわる目標は「目標3(あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する)」のみですが、ウェイクフィールド氏は「看護師はSDGsのほぼすべての目標において、国民の健康改善に携われる機会がある」と述べています。

看護師の専門性と貢献できることを社会的に明らかにする事が、看護師を活用し、上級職を得ていくために必要なことだと言われています。

 

そして、更に興味深い内容がありました。

看護の質の向上と「人材配置」の関連についてです。

 

看護師の受け持ち患者が1名増えるごとに、外科手術後30日以内の患者の死亡率が7%、看護師のバーンアウト率は23%、看護師の不満度は15%増加するという文献が発表されています。

そして、看護助手を看護師の代わりに増員することは、看護師の仕事満足度向上にも、患者転帰の改善にもつながらない、それどころか、死亡率の上昇との関連がみられる。

と発表されています。

看護師の人材削減によって医療費の削減を図ろうとすることは、結果的には全体的な医療費の増加につながる・・・とリンダ・エイケン氏は述べています。

 

ただ・・・この記事には書かれてありませんが、今後の日本の人口構造を考えると、患者数の増加に合わせて看護師を増やせるという事が難しいのが現状です。

これだけの情報がわかっているので、現場の看護師は目の前の仕事に忙殺されている場合ではありません。忙しい中にも業務改善を行い、業務をより早く楽にできる取り組みが必要だと思います。

 

今月号はICNの記事だけでも読んでおいた方がよいと思います。

 

エキスパートナース2017年8月号