NSAIDs(エヌセイズ)の使い方知っておきたい選択の基準



NSAIDsの効き目

今日は普段よく使われるNSAIDs(エヌセイズ)について書いてみようと思います。

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解熱鎮痛作用を持つ主な薬剤にはNSAIDs(エヌセイズ)やアセトアミノフェンなどがあります。

アセトアミノフェンはNSAIDsが持つ抗炎症作用をほとんど示しません。

 

NSAIDsは作用時間ごとに3種類に分けられます

  1. 短時間型 血中濃度半減期が3時間未満 1日3回服用
  2. 中間時間型 血中濃度半減期が24時間未満
  3. 長時間型 血中濃度半減期が24時間以上

エヌセイズの効果を知っておこう

人の痛みの原因はプロスタグランジンという物資 によって引き起こされます。

プロスタグランジンは痛みを引き起こしたり血管を拡張することで炎症を引き起こします。

また脳内の視床下部にある体温中枢に作用すると発熱が起こります。

プロスタグランジンは細胞膜内のリン脂質として存在するアラキドン酸により遊離されます。

そのプロスタグランジンは細胞膜内のシグナル伝達におけるセカンドメッセンジャーとして働いています。

アラキドン酸からプロスタグランジンが産生される過程にはシクロオキシゲナーゼ(COX)と呼ばれる酵素が必要で シクロオキシゲナーゼ(COX)にはCOX1COX2があります。(いわゆる、ここはアラキドン酸カスケードという部分です)

COX1 を介して産生されたプロスタグランジン
胃粘膜保護液分泌・腎血流維持・血小板凝集・血管拡張

COX2を介して産生されたプロスタグランジン
痛み・発熱・炎症反応

 

NSAIDsはCOX1とCOX2の両方を阻害します。

COX2の作用(痛み、炎症反応、発熱)を治めるのは良いのですが、COX1の作用(胃粘膜保護液分泌 、腎血流維持、血小板凝集、血管拡張)の阻害により副作用が伴いますので注意が必要です。

最近はこのCOX2の作用だけを阻害するセレコックスなどの第二世代のNSAIDsもあります。

解熱鎮痛剤使用の注意点

サリチル酸系

アスピリン・バファリン配合錠 a 330などがあります。

インフルエンザや水痘に感染した小児の解熱にはアスピリン系の薬を用いてはいけません。

使用すると肝機能障害を伴った重篤な脳機能障害(ライ症候群)を引き起こす可能性が指摘されています。

 

アントラニル酸系
鎮痛作用は比較的強いのが特徴です。

メフェナム酸(ポンタール)の解熱作用は強力で低体温を引き起こすことがあるため注意が必要です。

アリール酢酸系
即効性の高いジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)インドメタシン(インテバン、インフリーなど) エトドラグ(ハイペン)などが含まれます。

インフルエンザや水痘に感染した小児は原則使用しないことになっています。

またインフルエンザ脳症の死亡率を上昇させるとの報告もあります。

また、インドメタシンは胎児において動脈管閉鎖を促進させるため妊婦には危険とされています。

プロピオン酸系
強力な鎮痛作用を持つイブプロフェン(ブルフェン)ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン)、 静脈注射可能なフルルビプロフェンアキセチル(ロピオン )などがあります。

ロキソニンはプロドラッグの為に胃腸障害の副作用が少なく、現在日本で最も使用されている解熱鎮痛薬の一つです

オキシカム系

ロルノキシカム・ロルカム・メロキシカム・モービックなどがあります。

モービックは消炎鎮痛解熱作用が強力であり半減期が28時間と長いため、高齢者や腎、肝機能障害患者には注意が必要です。

コキシブ系

セレコキシブ(セレコックス) 第二世代のCOX2選択的阻害薬です 。
空腹時に服用すると吸収が30%低下するため可能な限り食後の服用とします。

 

消化管潰瘍に注意

NSAIDsの副作用のうち最も注意するものは消化性潰瘍です。

特にNSAIDsによる消化性潰瘍は無症候性のことが多く、突然の下血や穿孔が現れることもあります。

そのため空腹時の服用は避け、服用の場合は牛乳や胃薬と一緒に飲みましょう。 
また 、PPIなどの併用も勧められます。

NSAIDsによって生じる副作用として血圧低下にも注意する必要があります。
ボルタレンサポなど解熱目的に使用している場合多く見られます。

 

血圧が低下すると腎血流量を持っていかれるため、尿量減少も認められます。

また高度の場合はショックを起こすこともあるため、血圧測定や水分量、脱水症状などを観察する必要があります。

妊婦に投与する場合、NSAIDsは禁忌です。
分娩遅延や胎児動脈管の閉鎖を引き起こすため、必要な場合はアセトアミノフェンを選択します。

他にも抗凝固薬であるワーファリンカリウムの作用が増強され出血傾向が強くなります。

糖尿病治療薬であるスルホニル尿素薬(SU薬)では 血糖降下作用が増強し低血糖症状を発現しやすくなります。

免疫抑制薬(メトトレキサートなど)との 変容は メトトレキサートの血中濃度が上昇し骨髄抑制、消化性の障害、口内炎などの副作用が発現しやすくなります。

簡単に使用しがちなNSAIDsですが、リスクが隠れているという事を念頭において使用する必要があります。

 

 

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