イレウス(腸閉塞)の看護をどう考えるか

イレウス



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イレウス(腸閉塞)の看護は難しい?

イレウス(腸閉塞)・・・時々見られますよね。
基本的に腸は全身の血流が減った時には動かなくなります。
それはともかく、これをバカにしていると後が大変なことになります。

看護師もまずイレウスの分類を知っておこう

腸閉塞(イレウス)とは腸管内腔の閉塞や腸管運動障害により腸管内容の通過が障害された状態です。
病態によって「機械的イレウス」と「機能的イレウス」に分類されるのですが、機械的イレウスは、血流障害を伴わない「単純性イレウス」と血流障害を伴う「複雑性(絞扼性)イレウス」があります。
そして、機能的イレウスは、「麻痺性イレウス」と「痙攣性イレウス」があるのです。

特に、複雑性(絞扼性)イレウスは、重症度が高く、緊急性の高い病態です。放っておくと腸が腐ってしまいます。

イレウスを想起した場合、まず行うべき検査は血液・生化学検査、腹部単純X線検査です。
腹部単純X線写真にて、腸管の拡張とニボーの出現が機械的イレウスの典型的な所見なので、この辺りを見ていきます。

機械的イレウスの診断がつけば、原因となる閉塞機転の検索や血流障害を伴う複雑性イレウスの鑑別にできるだけ早期に腹部造影CTを行います。

生化学検査では、複雑性イレウスでは、白血球、CRP、LDH、CPKの上昇を認めることがあり、BT(bacterial translocation)や敗血症の評価のために、血液細菌培養、血漿プロカルシトニン検査を行うこともあります。

つまり、腸の穿孔→腹膜炎 や 腸からの炎症が全身に波及することが一番恐ろしいのです。

 

 

イレウスの治療

昔は「坐薬」や「浣腸」が行われていました。
今でも第一選択として考えている人もいるようですが、穿孔のリスクを考えるとおすすめされません。

イレウスは腸の内圧が上がっている状態です。そんな中に、更に圧が上がるような坐薬や浣腸液を入れるのは殺人行為です。
(医師から指示された場合も一度確認するべきです)

複雑性イレウスを少しでも疑うならば腹部造影CTを行い、腸管虚血を疑う所見がある場合は、開腹手術を行います。

電解質が崩れるので、崩れている場合は補正が必要です。

単純性イレウスの場合は、胃管やイレウス管による腸管内減圧を行います。
単純性イレウスでは、通常、胃管により腸管の減圧を行い、1~2日間経過観察します。
改善傾向を認めない場合は、イレウス管挿入を考慮します。

減圧チューブからの排液量が500ml/日以下となればチューブ抜去を考慮し、臨床所見の改善を認めない場合や減圧チューブからの排液量が500ml/日以上の場合は、開腹手術を考慮するのが最新のエビデンスに基づいた治療です。

 

イレウス患者の看護(観察項目)

嘔気、嘔吐、排便、排ガス、腹痛の性状(痛みの程度、持続的、間欠的)、腹部膨満感を観察します。

画像では腸管の拡張とニボーの出現が機械的イレウスの典型的な所見であるので、その辺を注意して観察します。

排液量が増えるので、脱水症状や電解質異常にも注意が必要です。

薬は主に炎症に対する治療として「抗菌薬」が使用されます。

他には、「ドレナージ」・「手術による感染源の除去」「蠕動促進薬」
「大建中湯」「ガストログラフィン」
「パントール」「プロスタルモン」
「オピオイド系鎮痛薬の中止・減量」など、腸にとってやさしくアプローチすることが必要です。

 

温めるのが良いと言われていた時代もありますが、あまりおすすめされません。
炎症を惹起させる恐れがあるためです。