看護技術

氷枕の作り方と使い方

氷枕の作り方を知っておこう

少しご無沙汰してしまいました。
今日は「氷枕」について書いてみようと思います。

看護師の方は「氷枕」を「ひょうちん」と呼びます。
一般的には「こおりまくら」と言われますよね。

個人的にはどちらでも良いのですが、よく考えると「ひょうちん」ってわざわざ読まなくても・・と思ったりしませんか?(笑)

慣れてしまうと何てことないのですが、氷を「ひょう」と読んで、枕を「ちん」と読むってやっぱり普通に考えると変な感じがします。

 

氷枕は氷だけ入れては駄目です

氷枕を作るときに「氷だけ入れる」看護師がいますが、これは間違えです。

 

氷だけ入れる理由は・・・「長持ちしそうだから」

 

単純に「アホだな」と思うのですが、「なぜそれが駄目なのか」ということを説明します。

 

熱伝導を良くするためにも水が必要

「熱伝導」という言葉を知っていますか?

知らない人はいないかもしれませんが、要するに、「熱が伝わること」です。

熱は空気があると非常に伝わりにくくなります

 

ダウンジャケットを考えてください。
なぜダウンジャケットが暖かいのか?

それは空気をたくさん含んでいるから熱を逃がさないのです。
(正確には外気との熱伝導を妨げている)

 

家のフローリングでも同じです。
無垢材など天然の木は寒い冬でも凍て付くような寒さを感じません。
これは、天然の木が間に空気を含むからです。

一方、加工された人工のフローリングは圧縮されて作られているので、
あいだに空気を含まず、寒い冬は非常に冷たく感じます。

空気は熱を通さない(通しにくい)という事です。

 

 

氷枕に空気が多いとどうなるか?

もうわかりますよね?

水を入れずに「氷だけ入れる」という事は、間に空気を含むので氷枕として機能しません。
氷が溶けて水になれば冷たくなってきますが、それまでの間、ゴツゴツした氷枕で患者さんは寝ることになります。

ただでさえ、寝心地の悪い氷枕なのに、ゴツゴツして冷えないなんてメリットありませんよね。

氷枕は氷と水を入れて、空気をきちんと抜くようにしましょう。

 

氷枕は使わなくなってきている

 

ここまで氷枕について書いてきましたが、
最近は頭に氷枕を使う事は推奨されていません

患者さんが「きもちいい」と言われるならOKですが、
クーリング目的で頭に使うことはなくなっています。

背部クーリングという方法もありますが、こちらも推奨されません。

患者さんによっては非常に寒くなります。
もちろん、同意が得られればOKです。

そもそも、クーリング自体が時代遅れになっていようです。

 

発熱の原理を考えるとわかりそうなものですよね。

あまり良くわからない人はこちらの記事も読んでみてください。
→発熱時の看護と対応

ただ、個人的な印象ですが、背部クーリングは効果があると感じます。
文献では「効果がない」と書かれているのをよく見ますが・・・

ICUなどで低体温療法で使っている「Arctic Sun」などの冷却装置は
大腿や体幹にクーリング素材を巻いて使用します。

つまり、背部や大腿などを冷やせばある程度早く冷やせるのです。

ただし、意識がハッキリある方にはオススメできません。
(シバリングが起こり、エネルギー消費がハンパないでしょうから)

 

解熱は血圧が許せば、早期にアセトアミノフェンやNSAIDs(エヌセイズ)などの解熱剤が効果的です。

とはいえ、NSAIDsは副作用などを考慮して、発熱だけで使うことが少なくなってきましたが・・・

「成人は40℃くらいまで様子を見て良い」と書かれている本を見ます。
ただ、臨床的には38.5℃くらいでクーリングや解熱剤の指示があることがほとんどです。

そこは施設のルールに従って貰えば良いと思います。

ただし、小児は38.5度を超えるなら早めに使用した方が良いと思います。

10歳ころまでは脳の成熟が不十分なので痙攣を誘発させる恐れがあります。
熱性痙攣まで起こすと大変です。

氷枕を作るなら、正しく作って、正しく使いましょう。

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