MEIDAI敗血症管理バンドルの内容

MEIDAIバンドル内容



MEIDAIバンドル内容

皆さんこんにちは。

先日記事にしました「MEIDAIの敗血症管理バンドル」が人気で、検索が急激に増えてきました。

前回はエキスパートナース5月号の内容を御紹介しましたが、今回は新たに新しく資料を入手しましたので、MEIDAI敗血症管理バンドル2015の内容について書いてみたいと思います。

 

前回の記事はこちら

 

敗血症性ショックの治療成績は2010年レベルでは,30日死亡率が27%レベルであり,ショック非離脱率が10%を超えていた。

このような管理を,より高めるため集中治療教育は必要となった。

2011年5月1日から2014年12月31日まで管理した敗血症性ショックは,年齢67.3±14.4歳,男女比63:33,APACHEⅡスコア28.0±4.2の96例だった。

この30日死亡は5例(5.2%)だったが,概念的には敗血症性ショックは既に100%救命できるレベルに約3年間で改善された。すなわち,なぜ敗血症性ショックで死亡してしまうのかを皆が自省し,急性期診療の見落としを超えることが重要であることが提案された。

その上で,極めて生活能力の低い免疫低下状態においては,死期が近いことを家族に説明することも重要である。

現在の敗血症管理バンドルM13S6は,13のメインブランチに,6つのサブバンドルで構成されている。名大救急・集中治療の敗血症管理に対する基本的な治療基盤である。

といきなり宣戦布告!?とも取れる内容です(笑)

敗血症性ショックはすでに100%救命できるレベル・・・と言っています。

すごいですよね。私の記憶が正しければ、少し前まで30%~50%くらいの救命率だったと思います。

 

 

MEIDAI敗血症バンドル1~ 接触感染予防

接触感染予防を,診療の第1義務とする。

よく検出されてくる菌種1)を定期的に評価して,医局内のカンファレンスに役立てている。現在は,アシネトバクター・バウマニ,ESBL産生クレブシェラ,ESBL産生大腸菌,および毒素産生ブドウ球菌の動向に注意している。

集中治療の場においては,その様な常在菌が接触感染の原因菌となる傾向がある。
 我々の施設では,クリーンハンドキャンペーンを繰り返し行うことで,挿管や中心静脈ラインの確保などの際に清潔な処置を常に心がけ,無用な水平感染や多剤耐性菌の発生を抑えるべく,スタッフへの啓蒙を行っている。

良いですよね!接触感染予防を診療の第一義務としているなんて・・義務ですよ!

アルコールの残量などもチェックされているようです。
いやぁ~細かい!

 

MEIDAI敗血症バンドル2~抗菌薬の殺菌利用

敗血症性ショックに限らず,救急集中治療領域の感染症患者に対して,抗菌薬は殺菌使用である

▶ グラム陽性菌が原因として疑わしい → MRSAの検出率を口に出して言える
▶ グラム陰性菌が原因として疑わしい → 緑膿菌の検出率を口に出して言える
▶ 嫌気性菌の可能性は?
はじめは,TEIC+ゾシンあるいは,TEIC+フィニバックスでの対応とする。

 医療暴露の多い患者や,MRSA・緑膿菌感染の既往がある患者の敗血症性ショックでは,広域抗菌薬を早期からempericalに投与している。

当施設では,MRSAであれば腎機能に悪影響を与えないテイコプラニンを ,緑膿菌であればピペラシリン・タゾバクタム,あるいはドリペネムなどを第1選択とする。

最大量を当日初日に用い,老人だとか腎機能が低下しているなどを考慮してはいけない。ペニシリン系,カルバペネム系,セファロスポリン系の抗菌薬を投与する際には,MIC(minimum inhibitory concentration)の観点から,1日4回の投与としている。

また,ニューキノロン系やアミノグリコシド系の抗菌薬を投与する際には,最大血中濃度を重視し,1日1回の投与としているなどの,基本を踏まえ,抗菌薬のトラフ濃度が10XMICで対応できる抗菌薬を有効利用できる抗菌薬としている。
当教室では,テイコプラニン(TEIC)の使用を開始する場合,北海道大学時代に松田教授が開発したTEICのローディング投与法(RAPTE)をPK/PDに基づくTDMとして採用している。

Rapid Priming of TEIC MATSUDA 2002 (RAPTE法)の現在の変法
▶ 10 mg/kgを8時間毎に3~4回投与し,12時間後にトラフ値を測定する。
▶ トラフ値は20 μg/mLを目標とする。
▶ トラフ値測定後は,4~6 mg/kgに減量し,1日1回投与する。
▶ 胸水や大量腹水がある場合には,12 mg/kgでローディングを開始する。

 通常,各種培養のアンチバイオグラム結果を待って,escalationやde-escalationを行うが,毒素産生型のブドウ球菌と判明した場合には,速やかにリネゾリドやダプトマイシンへ抗菌薬を変更することを推奨している。

また,真菌の検出と血中β-D-Gulcanの上昇を認める場合には,真菌感染の存在を想定し,抗真菌薬の投与を開始する。

ミカファンギンを使用することが多い。血液濾過を行う場合は,濾液へ抜けてしまう量を補正する必要があり,独自にこれらの測定を臨床研究指針に則って開始している。

経験的な広域抗菌薬投与は多剤耐性菌の発生を助長するとの考え方もあるが,救急集中治療領域の重症感染治療においては「最初にガツンとたたく」ことが最重要である。

毒にも薬にもならない容量で抗菌薬投与を開始するのではなく,早期に十分量を使用し,一方でde-escalationを速やかに最適化することが必要である。

また,当教室の松田流de-escalationは,DAY4からは医療費軽減策を徹底することであり,敗血症性ショック離脱は1時間以内を目指し,抗菌薬はDAY4よりできるだけ安価とするという指針(安価の法則)を提唱するものである。

1日1回投与のロセフィン2gなどの検討とする。
しかし,ブドウ球菌感染症や血流感染症では「every 2 week作戦」として徹底を尽くす指針としている。

 

良いですよね~!この細かさ!
うちの病院の医師も見習ってもらいたいものです。

抗菌剤までほぼルーチン化されている=知識が上から下まで共有されているという姿勢が良いです。

医師同士のなんだか意味のわからない探りあいや「わかっているだろう」という思い込みは、患者にとってムダ以外の何者でもありませんからね・・・

 

ちょっと長くなってきたので、また次回に・・・

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