「見て覚えろ」の限界
古い日本人の考え方に「見て覚えろ、仕事は盗め」という言葉があります。
昔からの考え方で、100%学習者の努力にゆだねるものでした。
この指導方法は、指導する側は、仕事をする能力さえあれば良かったので、育成する必要はありませんでした。
第二次世界大戦後、アメリカから新しい指導方法が入ってきます。
●今までの方法では、技術革新などスピードが早い分野での能力開発が追いつかない
●一方的に真似させる方法ではエビデンスが明確にならず、応用力へつながらない
そこで出てきたのがTWIです。
TWI(Training Within Industry)指導者育成研修
アメリカで効果的な職場作りの手法として開発され普及したもので、内容は・・・
1、仕事の教え方(JI:Job Instruction)
2、改善のしかた(JM:Job Methods)
3、人の扱いかた(JR:Job Relations)
の3つのプログラムからなっています。
単に教えるというわけではなく、自立した個々を育成するというのが目的です。
プリセプターが開発すべき3つの能力
1、対人関係能力
プリセプターになると、「いかに人は自分の思い通りにならないものか」を体験します。
よく相手を観察し、どのような環境を準備すれば動いてくれるのかを学習することがプリセプターの重要な目的の一つです。
2、対自己能力
自分の感情の源に気づき、コントロールする力が対自己能力です。
”忙しい時に質問されてイライラした”
その背景には「私に甘えないで」という思いがあったのかもしれません。
自分自身をよく理解し、コントロールする力を培うことが大切です。
最大の敵は自分自身の中にいるのです。
3、対課題力
人間関係以外にも、仕事上のさまざまな問題が出てきます。
このような時、文句やグチを言う事に終始していては、状況は悪くなる一方です。
「悪い報告」を受ける能力を養うことも大切です。
「まずはアクシデントの被害を最小限にする」という目的をもってどのように動けば良いのかを日常的に訓練する必要があります。