看護師は知っている?SIRSとはCARSとはMARSとは



SIRS CARS MARSって知ってる?

SIRS(全身性炎症反応症候群)は,侵襲によって全身的に炎症反応が惹起されている状態と定義され具体的には,診断項目のうち2つ以上の項目を満たす場合にSIRSと診断されます。

SIRSは,手術,外傷,感染症やさまざまな領域の重症急性疾患によって発現しますが,その状況下において,感染が存在するものをsepsis(敗血症)としています。

このことからSIRSは,Sepsis(セプシス)の定義のために提唱された概念と言えます。

よく「ゼプシス」なんて言っている人がいますが、正しくは「セプシス」です。

 

SIRSの兆候は,免疫能を活性化する炎症性サイトカインの影響によって発現しています

体温上昇は
IL〈インターロイキン〉-1
IL-6

頻脈は
IL-1
TNF-α

過換気は
IL-1
TNF-α

白血球増加は
G-CSF
GM-CSF
などと言われています。

まぁ、臨床ではあまり必要のない知識ですが、豆知識的に知っていると威張れます(笑)

 

CARS(代価性炎症反応症候群)とは、生体には,ある作用が働くと,同時に反作用の働きが発現し,恒常性を維持しようとする働きがあります。

具体的には,炎症性サイトカインが発現するとそれを括抗しようと抗炎症性サイトカイン(IL-4,10,TGF-β,STNFR,IL-1Ra)や炎症性サイトカインの括抗物質が誘導されます。

その影響により炎症性サイトカインが過剰に抑制された場合,免疫力が著しく低下し易感染状態となります(免疫抑制状態)。

この状態をCARSと言います。

 

一方,MARSは,前述したSIRSの状態とCARSの状態が絡み合って進行していく場合を言います。

以上のようにそれぞれの状況において,免疫能が過剰反応を来している場合,過剰抑制の時とは,治療法が異なることも理解できると思います。

しかし,CARSの状態であってもSIRSと同様の臨床症状を呈することから判断に難渋することが懸念されます。

 

そこで,これらを分けるために,SLIRS(Systemicand LocalInammatory Response Syndrome),LISIS(Local Innammation induced Systemic Immunosuppression Syndrome)という概念が提唱されています

SLIRSは,炎症反応が優位になっている時期であり,インターロイキン(IL)-6の作用によって肝臓で急性相蛋白であるCRPが産生されるため上昇します。

また,SLIRSでは免疫能が優位となり,CRPの産生量が減少し,ピークアウトしていきます。

このようにCRPが下降し始めた時期をSLIRSととらえることができます。
看護ケアの時に注意することは・・・?

SLIRSは,免疫能が過剰状態となっているので,不必要なケア介入は避け可能な限りストレスを与えないようなケアを検討すべきでしょう。

一方,LISISのように免疫能が低下している場合には,過剰なストレスを回避することはもちろんのこと,リラクセーションを取り入れるなど,免疫能を高めるようなケア介入が必要になります。

いずれにせよ,余計なストレスや新たな侵襲,感染を回避していくことで,炎症反応のコントロールを行っていくことがケアの中心と言えるでしょう。

 

 

今回の参考文献(読んでおこう!)